Androidプログラミングを始めるにあたり、何から始めてよいか分からない、どの開発環境を使って、どの開発言語を選択すればよいのかわからない、などの悩みを抱える人がたくさんいます。その場合、「デファクトスタンダードは何か?(=最も使われているものは何か?)」を考えるようにして下さい。なぜなら、最も使われているということは、企業での採用数やクラウドソーシングなどでの案件数が多く、またほかの製品を開発するときでも流用できる可能性も高く、転職や副業に有利なためです。
プログラミングの始め方
時代の流れと共にスマホアプリの開発環境も増えており、現状でのAndroidアプリの開発環境について整理してみました。
開発環境 | 開発言語 | 説明 |
---|---|---|
Android Studio | ・Java ・Kotlin | ・公式の開発ツールであり、信頼性が高い。 ・Androidアプリをテストするエミュレータがあらかじめ用意されている。 ・Kotlinは簡潔にプログラムを記述でき、かつ安全に実行できるように設計されている。 |
Unity | ・C# ・JavaScript | ・2D/3D問わず、ゲーム作りに強い。 ・クロスプラットフォームなゲームが作れる。 ・プログラムを記述することなく、キャラクターを動かすことができる。 |
Xamarin | ・C# | ・開発環境自体はVisual Studio(マイクロソフトが開発・販売している統合開発環境(IDE))のため、慣れている人には扱いやすい。 ・クロスプラットフォームなユーザインタフェースが作成できる。 |
クロスプラットフォームとは ?
異なるプラットフォーム(例えばWindows・macOS・FreeBSD・Linux・Android・iOSなどのように、仕様が全く異なるハードウェアまたはオペレーティングシステム)上で、同じ仕様のものを動かすことが出来るプログラム(ソフトウェア)のことを言います。
例えば、クロスプラットフォーム上でアプリケーションを作成すれば、AndroidデバイスやiPhoneで動作するアプリケーションが作成できます。
エミュレータ(エミュレート)とは?
エミュレーションとは、ある装置やソフトウェアを、別のソフトウェアによって模倣して動作させることです。この別のソフトウェアのことを「エミュレータ」(emulator)といいます。
例えば、ある装置(Android端末)やソフトウェア(Android端末上のソフトウェア)を、Windowsのパソコン上にある別のソフトウェア(エミュレータ)で模倣して動作させることができます。
統合開発環境(IDE)とは?
統合開発環境 (IDE=Integrated Development Environment) とはアプリケーション構築のためのソフトウェアで、ソースコードエディター、ビルド作業の自動化、デバッガーなど、複数の一般的な開発者用ツールを 1 つのグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) で統合して使えるようにしたものです。
本カリキュラムでは、次の開発環境と開発言語を使用します。
- 開発環境:Android Studio
- 開発言語:Java
開発環境について
Android Studioは、Googleが提供するAndroid向けアプリケーションソフトウェア開発用の統合開発環境(IDE)で、無料で提供されています。 Android Studioの表示画面を次に示します。
Android Studioに含まれるAndroidエミュレータは、作成したアプリケーションをAndroid Studio上でエミュレートします。Androidデバイスを用意しなくてもAndroidエミュレータを使うと、様々なデバイスと Android APIレベルでアプリケーションをテストできます。Androidエミュレータの表示画面を次に示します。
Android APIレベルとは?
Android API(Application Programming Interface )レベル とは、OSのバージョンと アプリケーションを動かすための機能がまとまったフレームワークを、一意に識別する整数値です。
開発言語について
Javaは、Android開発で公式のプログラミング言語として使用され、難易度は比較的高いですが、守備範囲が広く安定的に需要がある言語です。Androidアプリ開発ではKotlinが採用されつつありますが、転職サイトで求人数が多いのはKotlinよりもJavaです。旧来のシステムの改修案件なども多く、転職する場合には有利な言語です。
Kotlinは、GoogleがAndroid開発用に公式採用したプログラミング言語です。元々Javaを改良して作られたプログラミング言語ということもあり、Javaよりも簡潔にコードが記述できます。またJavaと互換性を持ち、Javaで開発した既存のアプリをKotlinに変換できます。
2021年度のプログラミング言語ランキング「TIOBE Index for December 2021」を次に示します。
本節の説明は以上になります。